米店が街から消えていく
2019年 10月 11日
我が街釧路の話です。
嘗て釧路の人口は22万人で北海道第4位の人口を誇っていました。
昭和40年代、高度成長期での日本全体が日の出の勢いだった頃です。
嘗て釧路の3大基幹産業(漁業水産・石炭・製紙)が好調だった時代です。
その頃釧路市内には50件以上の米穀店が営業していました。
しかし、食糧管理法が廃止され販売が自由化されると同時にそれまで販売免許の上に胡坐をかき、
営業努力を怠っていた店は次から次へと閉店していきました。今は専業店として生き残っているは1/10程度です。
ですが淘汰は更に続きます。スーパーは言うに及ばず、農家さんも販売に参入し、ネット販売、ホームセンター、
ドラッグストアーなども米を扱ており消費者はいつでもどこでも米を手に入れることが出来ます。
ところがもっと恐ろしいことが水面下でひたひたと迫っているのです。
それは米店がなくなるのではなく(米店が無くなっても代替店はあります。)
米自体がが無くなる危機が迫っているのです。
米農家が後継ぎがいなく生産地では荒地、耕作放棄地が増えているのです。
また、後継者がいても所得が低い米から手間はかかるが所得が高い畑作にシフトしています。
何と海外でも同じ様な現象が起きています。
米輸出国であるタイやベトナムでも経済発展と共に農業人口が減り2次3次産業へと人口がシフトし
農業でも収入の見込める野菜や果樹に転作が進んでいるのです。
国産米が不足し輸入米に頼らざるを得なくなった時、果たして米の安全安心は担保されるのでしょうか。
25年前の米パニックの悪夢が蘇ります。もう既にそこには米専門店の存在価値は発揮されず、出る幕は無いでしょう。
米店が無くなるのです。そうならない為、どうしたら消費者の皆様にいつでも美味しく安全な米を安心な価格でお届けできるのか、
今から考え挑戦し実践して参ります。その時こそ「こめしんがあって良かったね」と言われる米店でありたいと思います。